「私と仕事、どっちが大事なの?」にどう答えるか ~大阪難波心療内科コラム

◆ 正解はどこにある?
恋人から突然、
「私と仕事、どっちが大事なの!?」
と聞かれたことはありますか?
この質問、答え方を間違えると相手を不安にさせたり、
逆に自分が後々苦しくなってしまうことがあります。
だからこそ、どう答えるのが“正解”なのかを一度整理しておく必要があります。
◆ 「もちろんキミだよ」は一見正解。でも…
多くの人がまず思い浮かべる答えは、
「もちろんキミだよ」
という言葉でしょう。
優しさが詰まった言葉ですし、言われて嬉しくない人はいません。
ただし、相手によっては
「なんかウソっぽい…」
と感じられたり、
あるいは本当にそう答えてしまうと、
「じゃあ今後、仕事は私より優先しないんだよね?」
という期待や誤解を生んでしまう危険もあります。
つまり、
“その場はよくても、後で苦しくなる”
タイプの答えなのです。
◆ 「仕事よりキミが大切」には大きなリスクがある
たとえば勢いで
「仕事なんてどうでもいい!キミが一番!」
と言ってしまうと、聞こえは甘いけれど、
自分の人生の柱を折ることにもなりかねません。
恋人は大切。
でも仕事、成長、未来の安定も大切。
それらを犠牲にしてまで恋人を優先するというメッセージは、
長期的に見ると自分も相手も不幸にしてしまいます。
恋愛関係は「依存」ではなく「健全な支え合い」で成り立つものだからです。
◆ 理想の答えは「両方をつなげて伝える」こと
では、どんな返し方がもっとも誠実で、
相手の不安も和らげ、自分の未来も守れるのか?
その理想形は、こうです。
「もちろんキミだよ。
でも、キミとの生活をもっと充実させたいし、
自分自身が成長していくためにも仕事も頑張りたい。
仕事を通して強くなることで、もっとキミを支えたいんだ。」
この答えには3つの大切な要素が含まれています。
- 恋人を大切に思っている気持ちをちゃんと伝える
- 仕事を軽視するつもりはないことを明確にする
- 成長した自分で相手を支えたいというポジティブな未来を提示する
このバランスが“もっとも現実的で、もっとも優しい答え方”なのです。
◆ 根本は「不安」なので、優しさで包んであげて
そもそも、この質問の裏側には
「構ってもらえていない気がする…」
「私は大切にされているのかな…」
という不安があります。
だから、論理で説得するのではなく、
まずは愛情と優しさで受け止めてあげてください。
「そう言いたくなるほど、寂しい思いをさせちゃったね。」
そう一言添えるだけで、相手の心は落ち着いていきます。
◆ まとめ:大切なのは“答えの形”より“気持ち”
どんな答えを返すにせよ、
根底にあるのは「あなたが不安だったんだね」という理解です。
その上で、
「キミを大切に思っている」
「仕事も人生も守りたい」
「その両方をバランスよく未来につなげたい」
この3つを伝えられる人が、
もっとも誠実で、もっとも信頼されるパートナーです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



