やめるべきか続けるべきか迷ったときの判断基準。~大阪難波心療内科コラム

◆ 続けるか、やめるか迷うとき

スマホをいじる、甘いものを食べる、同じ動画を何度も見る——。
気づけば無意識に繰り返してしまう行動ってありますよね。
そしてふと、「これって、なんのためにやってるんだろう?」と思う瞬間が来る。

そんなときにおすすめなのが、“快感抜きで考えてみる”という方法です。
それは「もしその行為から気持ちよさを全部取ったら、まだ続けたいと思うか?」と自分に問いかけること。

◆ 「快感ゼロ」のイメージをしてみる

たとえばこう想像してみてください。

  • 快感ゼロなのに、スマホを指でサッサとなでて時間を消費する
  • 快感ゼロなのに、体に悪いモノを飲み食いする
  • 快感ゼロなのに、同じアプリを延々と眺める

それを思い浮かべて、「むなしいな」と感じたら、
その行為は「快感」に支えられた“惰性の習慣”かもしれません。
逆に、快感を抜いても「それでもやりたい」と思えるなら、
それはあなたにとって“意味のある行動”です。

◆ 「快感」に支配されるメカニズム

人の脳は「ドーパミン」という快感物質によって動かされています。
報酬が得られる行動を繰り返すうちに、脳がそれを“快感の回路”として学習してしまう。
これが、やめられない行動の正体です。

でも、快感を抜いて想像することで、
その行動が“本当に意味のあるものなのか”を冷静に見極めることができます。
いわば、自分の中の「自動運転モード」を一度オフにして、
「本当にハンドルを握っているのは誰か?」を確かめるようなものです。

◆ 「むなしい」と思えるのは、健全なサイン

「むなしい」と感じたら、それは悪いことではありません。
むしろ、自分の心が“これ以上はもう要らない”と教えてくれている証拠です。
行動をやめるべきタイミングは、頭ではなく、心が先に気づいていることが多いのです。

少し勇気を出して手放してみると、
そこに空いたスペースには、もっと意味のあるものが入ってきます。

◆ まとめ:快感を引いて、心を見よう

何かを続けるべきか迷ったら、こう自分に問いかけてみましょう。
「これ、快感ゼロでもやりたい?」

もし「ううん」と心が答えたら、それはきっと“卒業の合図”です。
そして「うん、それでもやりたい」と思えたなら、
それはもう“好き”の証拠。

どちらを選んでもいい。
大切なのは、快感の波の下にある“本音”に気づくことです。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)