怖さを消したい!と思う人へ~大阪難波心療内科コラム

◆ 「怖さを消したい」と思うほど、動けなくなる
「やりたいことがあるけど、怖くて動けない。」
誰しも一度はそんな気持ちを味わったことがあるでしょう。
新しい挑戦、転職、人前で話す、誰かに想いを伝える……。
怖さを「どうすればなくなるか」を考えてしまうと、人は永遠に迷路の中をぐるぐる回ります。
なぜなら、「怖くなくなる日」なんて永遠に来ないからです。
心理学的にも、人の不安や恐怖は「行動を避けるほど強化される」とされています。
行動療法の考え方では、恐怖は“感じながら動く”ことでしか小さくなっていかないのです。
◆ 「怖がりながら行動する」ことが唯一の道
大切なのは、「怖くないから行動する」ではなく、「怖いけれど行動する」こと。
怖さを感じるというのは、あなたが本気で取り組もうとしている証拠です。
本当にどうでもいいことなら、そもそも怖くなりません。
たとえば——
- 発表が怖いなら、小さな場で話してみる
- 転職が怖いなら、求人を見るだけでもいい
- 告白が怖いなら、メッセージを1行だけ送る
- 起業が怖いなら、1人にだけアイデアを話してみる
こうして“怖さと共に行動する練習”を積むことで、心は少しずつ慣れていきます。これは「段階的曝露」と呼ばれる心理学的アプローチでもあります。
◆ 行動が「自信」を生む
多くの人は「自信がついたら動こう」と思いますが、順番は逆です。
行動するからこそ自信が生まれます。
心理学者アルバート・バンデューラの「自己効力感」の理論でも、成功体験が自信を育てるとされています。
つまり、「怖いけどやってみた」「できた!」という体験こそが、次の挑戦を支える力になるのです。
◆ 怖さは、成長のサイン
怖いという感情は、あなたが今「成長の入り口」に立っている証拠です。
安心できる場所にいれば、怖くはないけれど、そこに成長も変化もありません。
むしろ、怖さを感じる瞬間こそが、新しい未来へのドアを開くタイミングです。
◆ まとめ:怖さを持ったまま、進もう
怖さを消そうとするのではなく、怖さを抱えたまま一歩を踏み出す。
「怖いけどやってみた」——その一歩が、あなたの世界を変えていきます。
怖さは敵ではありません。それは、あなたの中に眠る「本気のサイン」。
そのサインを感じたら、深呼吸して、ほんの少しだけ前へ進んでみてくださいね。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)