全力でやり遂げるための、たった一つの重要なこと~大阪難波心療内科コラム

◆ 集中するために必要なのは「根拠のない自信」

「集中したいのに、気が散る」
「やらなきゃいけないのに、頭が切り替わらない」
そんな経験は誰にでもあります。
でも実は、集中するためにいちばん大切なのは、
テクニックや時間管理ではなく、“自分はできる”という信念なんです。

アメリカの心理学者カレン・シュガーマンは、
人がいわゆる「ゾーン」に入るための条件のひとつとして、
「うまくやりとげるという確固たる信念を持つこと」を挙げています。
つまり、「絶対にできる」と信じている人ほど、深い集中に入りやすいということです。

◆ 「できる」と思うだけで、脳が味方になる

脳には、思考と現実の区別があいまいな部分があります。
「自分は天才だ」「こんなの余裕」と口に出すだけで、
脳は“成功した未来”を現実と錯覚し、その状態に合わせて働き始めます。

この現象は、セルフ・エフィカシー(自己効力感)とも呼ばれます。
自分にはできると信じる力が高い人ほど、
失敗しても立ち直りが早く、集中を途切れさせにくいことが知られています。

つまり、「集中力の土台」は、信念なんです。

◆ 思い込みは、集中のスイッチ

「オレ天才」「これならいける」
たとえ根拠がなくても、その“思い込み”がスイッチになります。
不思議なことに、そうつぶやくだけで呼吸が整い、
体が前に進む準備を始めます。

反対に、「難しそう」「無理かも」と考えると、
脳は“防御モード”に入り、注意力が分散します。
結局、集中できないのは「できないかもしれない」という疑いが邪魔しているからです。

◆ 信じる力が、ゾーンを呼ぶ

ゾーンに入る人たちは、能力が特別なわけではありません。
彼らは「自分は必ずうまくいく」と信じ切っているだけ。
その確信があるからこそ、
余計な不安や評価の意識が消え、
“今この瞬間”に全力を注げるのです。

この「確固たる信念」こそ、集中力のエンジン。
信じることで、脳は最高のパフォーマンスを引き出します。

◆ まとめ:「思い込み」は最強の集中術

集中できないときは、テクニックを探すよりも、まず“自分への言葉”を変えてみましょう。

「オレならできる」
「余裕だ、面白くなってきた」
「この瞬間に全集中」

そうつぶやくことで、脳が前向きに再起動し、
不安がやる気に変わっていきます。

集中とは、能力ではなく「信念」の結果。
あなたの思い込みが、あなたの集中力をつくります。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)