「10倍成長」を考えた方がいい、という話~大阪難波心療内科コラム

◆ がむしゃら努力の限界
勉強でも仕事でも、「もっと頑張らなきゃ」「努力が足りない」と思うときがあります。
確かに努力は大切です。ですが、「今の自分を2倍にする」という目標設定は、つい「もっと時間を増やす」「寝る間を削る」といった“根性系”の発想になりがちです。これでは疲労がたまり、モチベーションも続きません。
心理学的にも、人は「限界に近い努力」より「発想の転換」から大きな成長を得る傾向があります。
つまり、量ではなく枠組み(フレーム)を変えることがカギなのです。
◆ 「10倍成長」をゴールにすると見える世界が変わる
「10倍」を目指すと、考え方のスケールそのものが変わります。
2倍の延長線上には「頑張りの量」があるのに対して、10倍には「やり方の質」があります。
10倍を目指すと、自然にこんな発想が浮かびます。
- 自分よりすごい人の話を直接聞きに行こう
- 一人でやらず、得意な人と組もう
- 新しいツールや技術を試してみよう
- 複数のことを同時に進めて、相乗効果を作ろう
こうした「視点を上げる行動」が、結果的に最短ルートの成長を生み出します。
◆ 人は想定の枠でしか行動できない
心理学者キャロル・ドゥエックの「成長マインドセット理論」によると、
人は「自分がどこまで成長できるか」を無意識に制限しています。
つまり、「せいぜい2倍かな」と思っているうちは、その範囲でしか行動を思いつけないのです。
でも「10倍」と設定した瞬間、脳はまったく別の発想を探し始めます。
規模の大きな問いを立てることで、思考の枠が広がるのです。
◆ 「努力」ではなく「仕組み」で伸びる
10倍成長を目指す人は、努力でなく仕組みを作ります。
勉強なら、毎日1時間増やすのではなく「効率的に覚える方法を見つける」。
仕事なら、残業するのではなく「チームで成果を最大化する」。
成長を“力技”ではなく“構造”で支えると、心も体も楽になります。
◆ まとめ:スケールを変えると未来が変わる
2倍成長を目指すのは、現状の延長線。
10倍成長を目指すのは、未来の自分への投資です。
「そんなの無理かも」と思うかもしれませんが、実際に10倍を意識することで、選択肢も行動も一気に変わっていきます。
次に目標を立てるとき、こう考えてみましょう。
「2倍じゃなくて、10倍だったら、どうする?」
その問いが、新しいアイデアと成長の扉を開く第一歩になります。
何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)