歩行速度でアピールした男。~大阪難波心療内科マンガ

皆さんは、普段歩くスピードは早い方ですか。それとも、ゆっくりな方でしょうか。
僕は本来、休日は一日中パジャマでゴロゴロしていたいタイプの人間です。
ですが、最近の心理学や脳科学のデータを見ると、どうやら「のんびり」ばかりもしていられないようなのです。
実は、動作のスピード、特に「歩く速さ」が、将来の脳の健康のために重要なバロメーターであることがわかってきました。
◆ 歩くのが遅い人は、脳が縮みやすい?
アメリカのボストン大学医学大学院が行った、非常に興味深い研究があります。
平均年齢31歳の健康な男女約2400人を対象に、歩くスピードと脳の状態の関係を調査したものです。
その結果、歩くスピードが遅い人は、速い人に比べて、
将来的に脳の容積が小さくなりやすく、認知機能が低下するリスクが高いことが判明しました。
まだ若い30代の時点での歩行スピードが、数十年後の脳の老化を予測していたのです。
これはちょっとドキッとするデータですよね。
◆ 「歩く」という高度な情報処理
なぜ、足の速さが脳に関係するのでしょうか。
私たちは無意識に歩いていますが、実は歩行というのは、脳にとってかなり高度なマルチタスクです。
「目の前の障害物を避ける」「地面の傾斜に合わせてバランスを取る」「目的地に向かって進む」。
これらを瞬時に判断し、筋肉に指令を出し続ける必要があります。
つまり、キビキビと速く歩けるということは、脳の情報処理速度が速く、司令塔である前頭葉が活発に働いている証拠なのです。
逆に言えば、動作が緩慢になるということは、筋力の低下だけでなく、脳の処理速度が落ちてきているサインとも言えます。
◆ 「あと5分しかない!」のつもりで動く
では、どうすればいいのでしょうか。 答えはシンプルで、意識的に動作のギアを一つ上げることです。
常に走り回る必要はありません。ただ、普段の生活の中で「テキパキ」を意識するのです。
例えば、
・駅までの道のりを「電車に乗り遅れそうだ」と仮定して、早足で歩いてみる。
・家事をするときに、ダラダラやるのではなく、タイムトライアルのように皿洗いをしてみる。
「動作を早くする」という意識を持つだけで、脳には強い刺激がいきます。
◆ 颯爽と歩く姿は、心も軽くする
また、キビキビ動くことには、心理的なメリットもあります。
背筋を伸ばして颯爽と歩いていると、不思議と悩み事が小さく思えてきたり、前向きなアイデアが浮かんできたりするものです。
すなわち、流れを良くするためには、ある程度のスピードが必要なのです。
いつまでも若々しい頭脳でいるために、
まずは今日の帰り道、いつもよりほんの少しだけ、歩幅を広げてスピードアップしてみましょう。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)



