タイムリープ100回目のOL~大阪難波心療内科マンガ

マンガやドラマで「タイムリープもの」って、すごく人気があるものです。

主人公が過去に戻って、悲劇を回避したり、失敗を帳消しにしたりする物語。 正直、僕も大好きです。というか、切実にあの能力が欲しい。

先日も、前にあった人にたいして元気よく
「あぁ、●●さん、お久しぶりですー!」
と話したら、思い切り名前を間違えていました。

あの瞬間にタイムリープしてやり直したい。

◆ 「もしも」の正体は、僕たちの後悔

しかしこれだけタイムリープ作品が愛されるのは、
それだけ多くの人が「あの時、ああしていれば」という後悔を抱えて生きているからだと思います。

過去をやり直したいという願望は、それだけ現状を良くしたいという向上心の裏返しでもあります。

でも、心理学的には、この「後悔の繰り返し」は少々厄介です。

「なんであんなことを」と考えれば考えるほど、脳はその記憶を重要だと判断し、より鮮明に定着させてしまうのです。

後悔すればするほど、苦しみが増す。これでは悪循環です。

◆ 心の中にマスコットを作ろう

そんな時、無理に「考えちゃダメだ!」と打ち消そうとすると、余計に意識してしまうのが人間の脳です。
そこでおすすめなのが、その感情をキャラクター化してしまうこと。

名付けて「やり直したいくん」や「タイムリープくん」です。

後悔がムクムクと湧いてきたら、「うわ、また嫌なことを思い出した」と自分を責めるのではなく、こう思ってみてください。
「お、また出てきたな、やり直したいくん」
「またタイムリープくんかぁ」

イメージとしては、ちょっと困り眉で、とぼけた顔をしたゆるキャラを想像してみてください。

◆ 客観視が心を軽くする

これは心理療法で「外在化」や「脱フュージョン」と呼ばれるテクニックの応用です。
自分と感情を切り離し、対象を「観察」することで、ネガティブな感情に飲み込まれるのを防ぐことができます。

「やり直したいくん」を隣に座らせて、「まあ、君も必死なんだね」とお茶を出してあげるような感覚。 そうやって穏やかに見つめるだけで、不思議と「過去を変えなきゃ」という切迫感は薄れていきます。

タイムマシンはまだ発明されていませんが、後悔とうまく付き合う技術なら、僕たちはいつでも使えます。

過去にとらわれるより、その気持ちをマスコットにして、今の時間をのんびり過ごすのも悪くないですよ。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)