誰もが「うらやましい」と思っているという話。~大阪難波心療内科コラム

◆ 人は“持っていないもの”に心を奪われる

この男性は不幸だったわけではなく
むしろ手にしているモノは、平均よりずっと大きかったはずです。

なのに、心が強く揺さぶられたのは、
“自分にはない幸せ”を目の前にしたから。

心理学には「比較の心理」という考え方があります。

人は誰でも、無意識のうちに他人と自分を比べてしまうもの。
それがたとえ、自分より“恵まれているように見える人”でも同じです。

すなわち、どれだけ成功していても、誰かをうらやましいと思う気持ちは消えないのです。


◆ 幸せは「全部手に入れる」ことではない

私たちは時々、
「仕事も成功、家庭も円満、自由もお金も全部」
そんな完全な幸せが存在すると錯覚してしまいます。

でも、人生はトレードオフ。
何かを得れば、何かを失う。
何かを選べば、何かを選ばない人生が生まれる。

旅しながら稼ぐ男性は、
自由を選んだ代わりに“日常のぬくもり”を失ったのかもしれない、ということ。

完全な幸せなんて、誰にとっても存在せず、
みんな、ないものに憧れながら生きているのかもしれません。


◆ まとめ

公園で涙をこぼした男性は、決して弱かったわけではなく、
ただ、自分にはなかった幸せを見て、心が動いてしまった。

私たちが日常で感じる“うらやましい”も同じです。
その感情は欠点ではなく、
自分が何を求めているのかを教えてくれるメッセージだったりもします。

だからこそ、
自分の幸せは、自分で選んでいきましょう。

誰かと比べるゲームから降りるだけで、
人生は驚くほど静かに満たされ始めます。

今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)