「嫌い」より「好き」を語れ、という話~大阪難波心療内科コラム

◆ 「嫌い」を語る人は、嫌われる
「上司がムカつく」「あの人の話し方が無理」「最近の○○、ほんと嫌い」
そんな“嫌いトーク”をよくする人、身近にいたりしませんか?
不思議なことに、そういう人ほど周囲から距離を取られやすいんです。
理由はシンプル。
人は「ネガティブな話題」を聞くと、自分まで気分が沈むからです。
心理学ではこれを「感情感染」と呼びます。
人の感情は言葉や表情、声のトーンを通じて相手に伝染します。
つまり、「嫌い」と言うたびに、周りの空気まで少しずつ暗くしているのです。
◆ 「嫌い」を語るほど、損をする心理的メカニズム
人はネガティブな情報により強く反応する傾向があります。
そのため、「嫌い」と言った瞬間、相手の記憶には
“あなた=否定的な人”という印象が残りやすいのです。
また、「嫌い」を語る人の脳内では、
ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されやすくなることもわかっています。
つまり、愚痴を言うことで一時的にスッキリしても、
長期的には自分の心も疲弊してしまうんです。
◆ 「好き」を語る人は、なぜ好かれるのか
反対に、「好きなこと」を語る人は自然と明るく見えます。
その理由のひとつが、脳内のドーパミン。
好きなものを話しているとき、人は少し興奮し、幸福感を感じます。
そのポジティブなエネルギーは、言葉や表情を通じて相手にも伝わる。
結果的に、「この人と話すと元気が出る」「感じがいい」と思われやすくなるのです。
また、「好きなこと」を語る人は、他人の共感を得やすいという利点もあります。
「私もそれ好き!」「わかる!」という会話が生まれやすく、
距離が一気に縮まるのです。
◆ まとめ
もちろん、嫌いなものがあるのは自然なこと。
無理にポジティブでいようとすると、それもストレスになります。
大切なのは、“嫌い”を中心に話さないこと。
どうしても愚痴をこぼしたくなったときは、
「じゃあ自分はどうしたいか」「何が好きか」を一緒に考えるようにしてみましょう。
そして、人に好かれたいなら、まずは自分が“好き”を届ける側になること。
どんなに小さなことでもいいので、
好きな本、好きな映画、好きな食べ物 etc…
それを楽しそうに語るあなたの姿こそが、最高の魅力になるはずです。
今回の話、何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
